改訂新版 世界大百科事典 「マールワール」の意味・わかりやすい解説
マールワール
Mārwār
インド北西部,ラージャスターン州中西部の地方名。13世紀初めにラトール・ラージプート族が本拠地とした。1818年以降イギリスの保護国となって独立時にいたったジョードプル藩王国の領域にほぼあたり,同藩王国の別名としても使用された。西および北はタール砂漠を含み,南西は大カッチ湿地に接する。南西部を南西流するルーニー川の河谷平野では灌漑をもとに小麦,綿花を産する。中心都市ジョードプルには綿および毛織物,化学などの諸工業が立地する。インドの代表的な企業的商人のマールワーリー・バニアー(マールワーリー資本)はこの地方出身で,全インドの主要都市で活躍する。ビルラー財閥をはじめ,総資産上位10位の財閥のうち三つは彼らに属している。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報