改訂新版 世界大百科事典 「ジョードプル」の意味・わかりやすい解説
ジョードプル
Jodhpur
インド北西部,ラージャスターン州中西部の古都。人口84万6408(2001)。タール砂漠東縁部に接し,隊商交易の要地として栄えた。1818-1949年には同名の藩王国の主都であった。同藩王国の歴史は,13世紀初めのラージプート族のラトールによる建国にさかのぼる。町は1459年にラオ・ジョーダ王により北7kmのマンドールにかわる新都として建設された。地名は同王にちなみ,〈ジョーダの町〉を意味する。東西にのびる比高130mのきり立った岩丘上に城がそびえ,登城路にはかつての栄光を伝えるファテー・ポル(勝利の門)が並ぶ。高さ6~36mの城壁で囲まれた城内には宮殿や寺院がある。北麓の旧市も周囲8kmの市壁で囲まれ,〈王の宮殿〉などがある。周辺からの小麦,綿花,羊毛,皮革,家畜(とくにラクダ),石材などを集散する。象牙細工,ガラス腕輪,刃物,更紗などの伝統工業は名高い。金属,紡績,綿布,毛織物,薬品などの近代工業も立地し,州第2位の工業都市である。国立乾燥地研究所のほか,インド空軍の訓練所がある。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報