改訂新版 世界大百科事典 「ミケリス」の意味・わかりやすい解説
ミケリス (三毛栗鼠)
Callosciurus prevosti
背中と尾が光沢のある黒色,体側と頰が白色,腹面と四肢が赤茶色の目だった配色をもつ樹上生のリス。名もこれによる。齧歯(げつし)目リス科の哺乳類。スマトラ,ボルネオ,マラヤ,タイに分布する。体長24~26cm,尾長20~25cm,体重370~500g。本来の生息場所は熱帯雨林であるが,しばしばアブラヤシやココヤシなどの果樹園にすみつき,果実を食害する。おもな食べ物は果実と昆虫。木の上の高所に自分でかじりとった枝を編んで大きな巣をつくり,1~3月に2~3子を生む。体色が美しいことからペットとして人気があり,よく飼われるが自然条件下での生態はほとんど知られていない。他種のリスやツパイに対して攻撃的であることから,強固なテリトリーをもつのではないかと推測されている。飼育下での寿命は5年程度。
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報