日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズアオイ」の意味・わかりやすい解説
ミズアオイ
みずあおい / 水葵
[学] Monochoria korsakowii Regel et Maack
ミズアオイ科(APG分類:ミズアオイ科)の一年草。古名をナギという。根出葉は数枚、葉身は心形で長さ、幅ともに5~10センチメートル、長い柄がある。茎は高さ20~40センチメートル、根出葉より長く抽出し、中部に葉を1枚、頂部に多数の花を総状につける。花期は9~10月。花は青紫色、左右相称で径1.5~3センチメートル、1日でしおれる。水田や池沼に群生し、北海道から九州、およびロシア連邦沿海州、朝鮮半島、中国北部に分布する。茎や葉は柔らかく、食用になる。
ミズアオイ科Pontederiaceaeは単子葉植物。水生の一年草または多年草。花は両性の一日花。花被(かひ)は花弁状で6裂し、多くは基部で合着して短い花被筒をつくる。雄しべは6本または3本で、まれに1本のものもある。雌しべは1本で3心皮からなり、子房は上位。熱帯および亜熱帯を中心に9属約30種あり、日本には1属2種、ミズアオイとコナギが自生し、ホテイアオイ1種が帰化している。
[清水建美 2019年6月18日]