ミズタガラシ(読み)みずたがらし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズタガラシ」の意味・わかりやすい解説

ミズタガラシ
みずたがらし / 水田芥子
[学] Cardamine lyrata Bge.

アブラナ科(APG分類:アブラナ科)の多年草。全草無毛。茎は直立し、高さ30~60センチメートル、花期後倒れ、基部から長い走出枝を出す。下部の葉は11~13枚の小葉からなり、頂小葉は卵円形大形、側小葉は小形の卵形で先は丸みを帯びる。走出枝の葉は卵円形で基部は心臓形。4~5月、総状花序をつくり、多数の白色花を開く。花弁倒卵形で長さ0.8~1センチメートル、基部はくさび形。長角果は斜開し、果柄上にやや直立する。果柄は長さ1~2センチメートル。種子は縁(へり)に翼がある。湿地水田に多く生え、関東地方以西の本州から九州、および朝鮮半島、中国、東シベリアに分布する。

[小林純子 2020年12月11日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミズタガラシ」の意味・わかりやすい解説

ミズタガラシ(水田芥)
ミズタガラシ
Cardamine lyrata; bitter cress

アブラナ科の多年草。東アジアに分布し,日本では中部地方より西の各地の水田,湿地などに生える。全体はほとんど無毛。茎は直立し高さ 30~60cm,花が終ると倒れてはう。葉は羽状に分裂し,先端の小葉が最大で,小葉は7~13枚ある。4~5月に,総状花序を頂生し白色で径 1cmほどのやや大型の十字形花をつける。萼は緑色,花弁の基部は細くなって柄のようになる。長角果は細く長い。種子の縁に翼がある。

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