知恵蔵 「ミハエル・シューマッハ」の解説
ミハエル・シューマッハ
4歳からペダル・カートを始めた。10代から本格的にカートで活躍し、その後、F3に参戦。90年ドイツF3年間チャンピオンとなり、同年、各国のF3上位者が参戦するマカオF3でミカ・ハッキネンを下して優勝した。91年のF1第11戦ベルギーGPで7up・ジョーダン(当時)からF1デビュー。予選でいきなり7位となり、決勝はリタイアとなったものの有望新人として注目を集めた。この時日本人ドライバーとしては、中島悟、鈴木亜久里が参戦している。翌12戦からはベネトンのレギュラーシートを獲得した。
92年のベルギーグランプリで、デビュー18戦目にしてF1初優勝。94年には、シーズン8勝を挙げ、ベネトン・フォードで初の、またドイツ人としても初のF1ワールドチャンピオンとなる。翌年も9勝を挙げ連続ワールドチャンピオンとなる。
96年、名門フェラーリに移籍。2000年、フェラーリにとっては21年ぶりのワールドチャンピオンとなり、それ以降04年まで5年連続でワールドチャンピオンを獲得した。06年に1度目の引退。ここまでに、通算7度のワールドチャンピオンを獲得、91勝を挙げ、年間優勝13回など、多くの歴代最多記録を残した。
10年、メルセデス・グランプリチームからF1に復帰したものの、チームメイトのポイントにも及ばず、シーズン未勝利に終わる。以降は、かつてのような成績を残すことができず12年まで未勝利のまま2度目の引退となった。
13年12月29日(現地時間)、フランス・アルプスのリゾート地メリベルでスキー中に転倒して岩に激突。頭を打ち、意識不明の重体に陥った。14年2月現在、鎮静剤を少しずつ減らしながら、意識を回復させるための治療が始められている。
(葛西奈津子 フリーランスライター / 2014年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報