ミヤマウスユキソウ(読み)みやまうすゆきそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミヤマウスユキソウ」の意味・わかりやすい解説

ミヤマウスユキソウ
みやまうすゆきそう / 深山薄雪草
[学] Leontopodium fauriei Hand.-Mazz.

キク科(APG分類:キク科)の多年草。ヒナウスユキソウともいう。花茎は高さ5~15センチメートル、全体が灰白色綿毛で覆われる。葉は2~5枚つき、線状倒披針(とうひしん)形で長さ1.5~2センチメートル、幅1~2ミリメートル。頭花は黄色で4~10個密生し、周辺に大小不同の包葉が8~10枚あり、全体が星形になる。本州北部の高山帯を中心に分布する。種名は、1888年(明治21)フランス人宣教師フォーリーが鳥海(ちょうかい)山で採集したことに由来する。本種の仲間はヒマラヤを中心に約50種分布する。変種ホソバヒナウスユキソウvar. angustifolium Hara et Kitam.は群馬県至仏(しぶつ)山、谷川岳、朝日岳の蛇紋岩帯に特産する。ほかにエゾウスユキソウ、ヒメウスユキソウハヤチネウスユキソウ、ウスユキソウなどがある。アルプスの名花として有名なエーデルワイス(セイヨウウスユキソウ)Edelweiss(ドイツ語)/L. alpinum Cass.も同じ仲間で、高さ5~20センチメートル。全体密な白綿毛に覆われ、数個の頭状花を取り囲む包葉片が整形の星形となり、美しい。種々の山岳関係のシンボルとして、デザインされることが多い。

[冨樫 誠 2022年4月19日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヤマウスユキソウ」の意味・わかりやすい解説

ミヤマウスユキソウ(深山薄雪草)
ミヤマウスユキソウ
Leontopodium fauriei

キク科の多年草。本州北部に分布し,高山帯の日当りのよい乾燥地に生える。茎は高さ 10~15cm。根出葉は線状倒披針形で長さ 5cm。茎葉は互生し線形で,両面白色の綿毛におおわれ,特に下面で著しい茎頂には白毛におおわれた包状葉が星のように輪状に並ぶ。7~8月,包状葉の中心に白色頭状花を密生する。総包は球形痩果には4本の角状突起があり,冠毛が生える。本種はヨーロッパアルプスのエーデルワイスによく似ていて,登山愛好家に好まれる。別名ヒメウスユキソウまたはヒナウスユキソウ。

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