日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミラー図法」の意味・わかりやすい解説
ミラー図法
みらーずほう
Miller's projections
地図投影の一種。アメリカのミラーOsborn Maitland Miller(1897―1979)が考案した3種の図法の総称。一般に、1942年に国務省から刊行された世界全図に用いられた変更メルカトル図法をさす。これはメルカトル図法と類似の形であるが両極は表示されるようになっている。ただし正角図法ではなく、航程線(地球上で方位が一定の線)も直線に表されない。ほかの2種は、アフリカ全図用に横軸平射図法を変形した長楕円平射図法(ちょうだえんへいしゃずほう)、アメリカ両大陸を1図に収める双極斜軸正角円錐図法(そうきょくしゃじくせいかくえんすいずほう)である。ここで前者は投影軸が地軸に直交する横軸平射図法の縦軸方向と横軸方向の寸法比を1対1から変形し、縦長の長楕円形としたものである。後者は北アメリカと南アメリカをそれぞれ別の斜軸正角円錐図法(投影軸が地軸に斜交する)で作図し、中央アメリカで接続するように作図したものである。
[金澤 敬]