…平穏で人情の温かいこの田舎町は,後に彼女の手で短編連作《クランフォード》(1853,邦訳《女だけの町》)として世界中に紹介された。1832年マンチェスター市のユニテリアン派教会副牧師ウィリアム・ギャスケルと結婚,以後同市の貧民の悲惨な生活に接し,その現状や当時工場労働者の間で高まりつつあったチャーチスト運動を小説《メアリー・バートン》(1848)で発表,一躍注目を浴びた。彼女は〈社会小説家〉と評されたが,その本領は家庭生活・風俗を19世紀社会を背景としてリアルに描いたところにある。…
※「メアリー=バートン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」