メアリー=バートン(読み)メアリーバートン(その他表記)Mary Barton

デジタル大辞泉 「メアリー=バートン」の意味・読み・例文・類語

メアリー‐バートン(Mary Barton)

ギャスケルの処女小説。1848年刊。チャーチスト運動が盛んな時代の、マンチェスター労働者生活を描いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「メアリー=バートン」の意味・わかりやすい解説

メアリー・バートン
めありーばーとん
Mary Barton

イギリス女流作家、ギャスケルの長編小説。1848年刊。副題「マンチェスターの生活の物語」。作者の夫が牧師をしていた大都市マンチェスターの貧民の悲惨な生活を、同情の目をもって、しかもリアルに描いている。労働者の政治闘争ストライキなど、当時のイギリスの現実にあった社会問題を背景に、殺人事件の謎(なぞ)を絡め、作者の根本思想たる人間の善意への信頼で温かく包んだ作品。

小池 滋]

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世界大百科事典(旧版)内のメアリー=バートンの言及

【ギャスケル】より

…平穏で人情の温かいこの田舎町は,後に彼女の手で短編連作《クランフォード》(1853,邦訳《女だけの町》)として世界中に紹介された。1832年マンチェスター市のユニテリアン派教会副牧師ウィリアム・ギャスケルと結婚,以後同市の貧民の悲惨な生活に接し,その現状や当時工場労働者の間で高まりつつあったチャーチスト運動を小説《メアリー・バートン》(1848)で発表,一躍注目を浴びた。彼女は〈社会小説家〉と評されたが,その本領は家庭生活・風俗を19世紀社会を背景としてリアルに描いたところにある。…

※「メアリー=バートン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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