メタン細菌(読み)メタンサイキン(その他表記)methane bacteria

デジタル大辞泉 「メタン細菌」の意味・読み・例文・類語

メタン‐さいきん【メタン細菌】

代謝によってメタンガスを生成する嫌気性細菌汚泥湖沼河川ほか哺乳類消化管などに分布

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「メタン細菌」の意味・わかりやすい解説

メタン細菌
めたんさいきん
methane bacteria

メタン生成細菌のことで、メタン発酵細菌ともいう。汚泥、湖沼、河川のほか、哺乳(ほにゅう)動物の消化管などの無酸素的な場所に分布し、化学的独立栄養性ならびに化学的従属栄養性の生活をし、代謝生産物としてメタンガスを発生する。メタノバクテリア科Methanobacteriaceaeのメタノバクテリウム属Methanobacterium、メタノサルシナ属Methanosarcina、メタノコッカス属Methanococcusが代表的なメタン細菌である。現在、メタン細菌は、畜産廃棄物、有機物の多い産業廃棄物や家庭の生(なま)ごみなどの処理と、発生するメタンガス利用という二つの目的をもって使われている。これらの細菌は、細胞が桿(かん)状または球形で、運動性のあるものとないものとがある。グラム染色性は不定で、胞子を形成しない偏性嫌気性細菌である。メタン細菌は二酸化炭素水素、ギ酸、酢酸メチルアルコールなどをメタン(CH4)に変換する。このような特性をもつメタン細菌は、生態学的にも重要な位置にあり、自然界における生物遷移の最終メンバーと考えられている。いろいろな生物が物質を生産し、これはまた、さまざまな細菌によって分解されて二酸化炭素などができるが、メタン細菌は、これらの物質を、また分解してメタンを生産するわけである。

[曽根田正己]

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栄養・生化学辞典 「メタン細菌」の解説

メタン細菌

 →メタン菌

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