旺文社世界史事典 三訂版 「メロエ王国」の解説
メロエ王国
メロエおうこく
Meroe
ナイル川上流の現在のスーダンのメロエを中心に展開した黒人王国
前10世紀ごろから,現在のスーダンのナパタを中心に,エジプトの影響を受けたクシュ王国が栄えていたが,前7世紀に鉄器で武装したアッシリアに攻撃されて首都をメロエに移した。遷都以降のクシュ王国をメロエ王国と呼ぶ。ナイル川とアトバラ川の合流点に近いメロエは鉄鉱石や樹木に恵まれ,クシュ人自らも鉄器製作に力を入れた。メロエには小型のピラミッドが多数つくられ,ヒエログリフに似たメロエ文字(未解読)が発明されるなど,エジプトの影響が濃い。同王国は4世紀にエチオピアのアクスム王国に滅ぼされた。
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