モクビャッコウ(読み)モクビャッコウ(英語表記)Crossostephium chinense

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モクビャッコウ」の意味・わかりやすい解説

モクビャッコウ(木白香)
モクビャッコウ
Crossostephium chinense

キク科小低木。台湾から琉球列島海岸岩場に生じ,硫黄列島南硫黄島北硫黄島の海岸にも自生する。高さ 1m弱で,茎はよく分枝し,基部は径2~3cmで前年までの落葉痕がささくれ状に目立つ。葉は密に互生し,ほとんど無柄で長さ3~5cmのへら形,両面とも灰白色の毛に密に覆われる。夏に,枝の上部葉腋から総状花序を伸ばし,ヨモギの花のような球形の頭状花を多数密につける。花には独特の強い香りがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モクビャッコウ」の意味・わかりやすい解説

モクビャッコウ
もくびゃっこう / 木白虹
[学] Crossostephium chinense (L.) Makino

キク科(APG分類:キク科)の常緑低木。幹は直立し、分枝が多く傘状の樹冠となる。葉は倒披針(とうひしん)状へら形で長さ2~5センチメートル、全縁、まれに2~5裂し、両面とも灰白色の毛を密生する。総状花序はほぼ球形、花は黄色悪臭がある。葉を泡盛に漬け、強壮剤とする。海岸のサンゴ石灰岩地に生え、鹿児島県悪石島(あくせきじま)以南から沖縄、および台湾などに分布する。ヨモギ属に含める考え方もある。

[島袋敬一 2022年5月20日]

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