硫黄列島(読み)イオウレットウ

デジタル大辞泉 「硫黄列島」の意味・読み・例文・類語

いおう‐れっとう〔いわうレツタウ〕【硫黄列島】

小笠原諸島南西にある列島北硫黄島・中硫黄島硫黄島)・南硫黄島からなる。東京都に属し、硫黄サトウキビ産出火山列島
[補説]北硫黄島と南硫黄島は、平成23年(2011)「小笠原諸島」の名で世界遺産自然遺産)に登録された。硫黄島は自衛隊基地があるため登録対象外となっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「硫黄列島」の意味・わかりやすい解説

硫黄列島 (いおうれっとう)

小笠原諸島に属する列島で,火山列島とも呼ばれる。ほぼ70kmの等間隔をなして南北に並ぶ北硫黄島,硫黄島,南硫黄島からなり,東京都小笠原支庁小笠原村に含まれる。父島,母島などの小笠原群島が第三紀の海底火山が後に隆起した海底山脈であるのに対し,この列島は第四紀後半から活動を始めた新しい火山島からなる。北硫黄島(面積5.4km2,最高点792m)と南硫黄島(3.7km2,916m)は円錐形成層火山の頂部をなし,北硫黄島には火口とみられる凹陥地があるが,両島とも有史以来の噴火活動はない。しかし両島の近海には江戸時代以降海底噴火が数回記録されている。全山密林に覆われ,海岸には高い海食崖がめぐらされ,中腹以上は厚い雲に包まれている日が多い。1779年(安永8)クック探検隊によって発見され,1891年日本領に決定したころから硫黄島,北硫黄島には漁業や硫黄採取の住民が居住するようになったが,現在は北硫黄島,南硫黄島は無人で,硫黄島には海上自衛隊とアメリカ沿岸警備隊(1994年撤収)が在駐している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「硫黄列島」の意味・わかりやすい解説

硫黄列島
いおうれっとう

東京都小笠原諸島南南西に位置する,七島マリアナ海嶺上の火山列島。別称火山列島。小笠原支庁小笠原村に属する。北から北硫黄島,硫黄島南硫黄島の 3島からなり,南北にほぼ等距離に配列。硫黄島が最大で唯一の平坦台地状の島。南硫黄島,北硫黄島は険しい火山島で海食崖が著しく発達している。南硫黄島は 3.54km2,北硫黄島は 5.57km2でともに無人島。第2次世界大戦後アメリカ合衆国信託統治領であったが 1968年日本に返還。硫黄島に海上自衛隊航空基地隊が所在。北硫黄島は小笠原国立公園南端に属する。南硫黄島は全島が国の天然記念物,原生自然環境保全地域に指定されている。2011年北硫黄島,南硫黄島が世界遺産の自然遺産に登録された。

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百科事典マイペディア 「硫黄列島」の意味・わかりやすい解説

硫黄列島【いおうれっとう】

小笠原諸島の南南西150〜280kmにあり,火山列島ともいう。北硫黄島(約5.57km2),硫黄島,南硫黄島(約3.54km2)からなり,1779年クックが発見,1891年以後東京・小笠原支庁に属したが,第2次大戦後は米軍施政下となり,住民は日本本土に引き揚げた。1968年小笠原諸島とともに返還され,再び東京都に帰属。北硫黄島は戦前約90人がサトウキビ栽培,漁業に従事していた。南硫黄島は無人島。
→関連項目小笠原国立公園

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「硫黄列島」の意味・わかりやすい解説

硫黄列島
いおうれっとう

火山列島

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