もくもく(読み)モクモク

デジタル大辞泉 「もくもく」の意味・読み・例文・類語

もく‐もく

[副](スル)
煙・雲などが次から次へとわき出るさま。「もくもく(と)煙が立ちのぼる」
一部分が盛り上がったり、うごめいたりするさま。「布団がもくもくと動く」
物をほおばって口を動かすさま。もぐもぐ。
「母は―と…御所柿一片前歯で噛んでいた」〈上司石川五右衛門の生立〉

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精選版 日本国語大辞典 「もくもく」の意味・読み・例文・類語

もく‐もく

  1. 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
  2. 煙・雲などが、重なり合うように盛んにわきおこるさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「湯の筧を伝ふ音と、水のもくもくと湧出る音とが」(出典:春潮(1903)〈田山花袋〉一三)
  3. 一部分が盛り上がったり、うごめいたりするさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「もくもくと肩の筋肉を強直させて」(出典:異端者の悲しみ(1917)〈谷崎潤一郎〉五)
  4. ふんわりしてふくらんでいるさま、肥えふとっているさまを表わす語。
    1. [初出の実例]「見上げるばかり大いのが、もくもくとして肩も胸も腹もなく、づんぐり腰の下まで着こんだのは」(出典:日本橋(1914)〈泉鏡花〉二九)
  5. 柔らかく、暖かい感じ、快く、暖かく包みこまれるような感じを表わす語。
    1. [初出の実例]「自分はもくもくと日のさした障子を見つめて」(出典:千鳥(1906)〈鈴木三重吉〉)
  6. 物をほおばって口を動かすさまを表わす語。もぐもぐ。
    1. [初出の実例]「押丁は口をモクモク動かしながら」(出典:良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉前)

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