改訂新版 世界大百科事典 「モリイノシシ」の意味・わかりやすい解説
モリイノシシ (森猪)
giant forest hog
Hylochoerus meinertzhageni
リベリアからエチオピア,タンザニアにかけてのアフリカ中央部の森林とサバンナにすむ大型のイノシシ。偶蹄目イノシシ科の哺乳類。体型はイノシシに似るが,鼻鏡が大きく直径13cmに達し,長く粗い黒色の体毛がまばらにはえるのみで,黒褐色の皮膚が透けてみえる。前頭部から首にかけてたてがみがはえる。体長150~190cm,肩高76~110cm,尾長30cm前後,体重160~275kg。ふつう雌雄とその子2~4頭からなる家族群で生活するが,ときに20頭くらいまでの比較的大きな群れもみられる。群れ単位でテリトリーをつくり,おもに昼間テリトリー内を歩きまわり植物の緑色部分を食べる。他のイノシシのように地面を掘りかえして植物の根などを食べることは少ない。夜は深い茂みのなかで休む。繁殖期は一定せず,雌は125日の妊娠期間のあと,2~6子を生む。
→イノシシ
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報