麦芽(モルト)のみを原料とするウイスキー。オオムギを発芽させて麦芽をつくり、乾燥時にピート(泥炭)を燃やして薫香をつける。これを粉砕し、約4倍量の湯水を加え、60~65℃に保って糖化し、濾過(ろか)、冷却して発酵させる。もろみを単式蒸留機(ポットスチル)で2回蒸留し、再留時にはアルコール分65%程度の中留区分のみをとり、樫樽(かしたる)(シェリーの古樽を用いることもある)に貯蔵する。モルトウイスキーは強い性格だけに蒸留所の個性がはっきり出る。スコットランドでは、数多くの蒸留所が自己のモルトウイスキーを他所のウイスキーとブレンドせず、シングルモルトウイスキー、またはピュアモルトウイスキーの名で市場に出しており、それぞれの蒸留所の個性が楽しめるが、数量的にはスコッチウイスキー全体の1%程度である。
[鴨川晴比古]
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…日本は現在,世界でも有数のウィスキー生産ならびに消費国となったが,本格的製造が始まったのは1920年代である。ウィスキーは原料によって,モルトウィスキーとグレーンウィスキーにわけられる。またスコッチ,アイリッシュ,アメリカン,カナディアンの4タイプに大別され,それぞれ原料や製造法によって独特の品質をもっている。…
…穀類や果実などを原料とし,これらを発酵,蒸留してつくった酒。ビールや白ブドウ酒の発酵液(もろみ)を蒸留したものが,それぞれモルトウィスキーやブランデーであるように,伝統的醸造酒には対応する蒸留酒がある。 形状からみて,蒸留に使われたと思われる土器は,紀元前3000年ころのメソポタミア文明の遺跡から出土しているが,ブドウ酒の蒸留を記録したのはアリストテレス(前384‐前322)がはじめである。…
※「モルトウイスキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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