モンタヌス派(読み)モンタヌスは(英語表記)Montanism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンタヌス派」の意味・わかりやすい解説

モンタヌス派
モンタヌスは
Montanism

キリスト教の異端。2世紀後半モンタヌスによりフリュギアで起った。そのためカタフリュギア派とも呼ばれる。『ヨハネによる福音書』でイエスが約束した真理の霊が預言者モンタヌスやその追従者の預言を通して語り,新しい完全な啓示を与え,まもなくキリストが再臨し,ペブザとティミウムの間に天のエルサレムが下ると説いて多くの信奉者を得た。きびしい断食を含む道徳的厳格主義をとり,殉教を前にしての逃亡を禁じ,結婚を思いとどまらせ,再婚を禁止した。 177年頃小アジアの教会会議で排斥され,独立のセクトとなって,4世紀末まで命脈を保った。西方では 200年頃プロクルス,エスキネスを指導者とする一派が生れ,206年頃テルトゥリアヌスが加わってカルタゴに大きな勢力をつくった。彼においては秘教的性格はほとんどなく,新しいエルサレムの到来と道徳的厳格主義が強調された。モンタヌス派は西方ではテルトゥリアヌス派とも呼ばれ,8世紀初めまで命脈を保った。

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