ヤドクガエル

百科事典マイペディア 「ヤドクガエル」の意味・わかりやすい解説

ヤドクガエル

ヤドクガエル科の両生類総称。ほとんどのカエル皮膚腺微量の毒をもっているが,ヤドクガエルのなかまでは,この毒が著しく発達。種類によっては,微量でも人を死に至らせる毒を出す。116種が中・南米の多雨林に分布。体長2〜5cm。体色はきわめて派手で,赤,ピンク,青,緑,金などに,黒い斑点がある。体形やせ型で,吻は丸みを帯びる。ほとんどが陸生だが,一部樹上生。インディオは1匹のヤドクガエルからとった分泌物で,50本もの矢尻に毒を塗る。現在でもこの矢は狩りに使われている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヤドクガエル」の意味・わかりやすい解説

ヤドクガエル
Dendrobatidae; arrow-poison frog

カエル目ヤドクガエル科に属する小型のカエル類の総称。中央アメリカ南アメリカ熱帯地方に分布し,どの種も毒々しいほど鮮かな色彩をしている。皮膚分泌液毒性が強く,インディオが毒矢を作るのに使われた。卵は雄の背に粘着され,孵化したおたまじゃくしも数週間にわたって雄の背で成育する。やがて雄が水中に入ると,おたまじゃくしは雄の背を離れて独立した生活をおくるようになる。単にドクガエルともいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「ヤドクガエル」の意味・わかりやすい解説

ヤドクガエル

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世界大百科事典(旧版)内のヤドクガエルの言及

【コモリガエル(子守蛙)】より

…したがって卵は大粒で数が少なく,発生の段階が進んだ幼生を孵化させたり,なかには変態終了まで世話する種類もある。これらにはピパ科以外にも背中の育児袋で卵を育てる南アメリカ産フクロアマガエル類があり,そのほかゲルジアマガエル(イラスト)やサンバガエル(イラスト)などは卵を,ヤドクガエル,セーシェルコオイガエルなどは幼生を背負って保護する。【松井 孝爾】。…

【毒ガエル(毒蛙)】より

…皮膚から強い毒液を分泌するカエル類で,主としてヤドクガエル科に含まれるほか,系統の異なる科にも見られる。ヤドクガエル科Dendrobatidaeの仲間は,インディオが皮膚から分泌される毒液を集めて毒矢に用いることから,ヤドクガエルarrow‐poison frogと呼ばれ,159種が中央アメリカから南アメリカの熱帯地方に分布している(イラスト)。…

※「ヤドクガエル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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