ナウル共和国の首都。都市機能を備えていないので、ヤレン地区という呼び方が適当であろう。ナウル島の南西部、国際空港のすぐ前方の地区で、政庁、国会議事堂、ラジオナウルなどがある。当初、この地区には定住人口がほとんどなかったが、職員は整備された一周道路で島の各地区から車で容易に通勤できる。島全体が20世紀初頭から隆盛となったリン鉱石の採掘・輸出に依存しきっていたので、その枯渇が問題となっている昨今では経済の衰退が激しく、政府そのものが試行錯誤を繰り返している状況で、このヤレン地区も閑散な場所となっている。島の経済・社会機能の中心地は往時のリン鉱積出し港(カンチレバーCantilever=突出し桟橋)前の銀行、郵便局、公民館付近であり、そこからヤレンまでは車で10~20分。
[大島襄二]
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