日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユドヨノ」の意味・わかりやすい解説
ユドヨノ
ゆどよの
Susilo Bambang Yudhoyono
(1949― )
インドネシアの政治家。東ジャワ州パチタン県出身。1973年、国軍士官学校を首席で卒業。1990年、アメリカ陸軍指揮幕僚大学に留学し、翌1991年、ウェブスター大学で経営学修士号を取得した。1996年、インドネシア陸軍ジャカルタ軍管区参謀長に就任。国権の最高機関である「国民協議会」副議長、国軍領域参謀長を歴任し、1999年10月、ワヒド政権で鉱業エネルギー相。2000年8月には同政権で調整相(政治・社会・治安担当)に就任したが、2001年6月、政治資金疑惑をめぐる弾劾審議を拒否したワヒド大統領と対立、解任された。
2001年8月、メガワティ政権でふたたび調整相(政治・治安担当)で復活したが、2004年3月、大統領再選を狙うメガワティとの確執が強まり、辞職した。同年7月、インドネシア初の直接選挙による大統領選に立候補。メガワティとの決選投票に持ち込まれたが、9月の投票で圧勝し、10月、第6代大統領に就任した。2005年8月には、スマトラ島のナングロ・アチェー・ダルサラム州の分離独立を目ざす武装組織「自由アチェ運動(GAM)」と和平合意。テロ対策にも力を注いでいる。2009年7月大統領再任。
[金子 亨]
『松井和久、川村晃一編著『インドネシア総選挙と新政権の始動―メガワティからユドヨノへ』(2005・明石書店)』