翻訳|Eurailpass
ヨーロッパ鉄道均一周遊券の名称。ヨーロッパの33か国(アイルランド、イギリス、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、北マケドニア共和国、ギリシア、クロアチア、スイス、スウェーデン、スペイン、スロベニア、スロバキア、セルビア、チェコ、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ポルトガル、ポーランド、モンテネグロ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ルクセンブルク。2020年時点)の主要鉄道が、期間内乗り降り自由で急行・特急料金も含まれている。「ユーロスター」(ロンドン―大陸諸都市間を時速300キロメートルで結ぶ高速特急列車)のロンドン―パリ間(全車指定)や「TGV(テージェーベー)」(フランスの高速鉄道)など一部列車では、座席指定料金や寝台料金が別途必要となる。2007年にユーレイルパスから名称を変更した、33か国すべての国で利用できるユーレイルグローバルパス(有効期間は15日~3か月間)のほか、1か国のみで利用可能なユーレイル1か国パス(有効期間は3~8日間)がある。また、ユーレイルグローバルパスには、1か月ないし2か月のなかで利用日(4~15日間)を選択できるフレキシータイプもある。いずれのパスも12~27歳までを対象とするユース料金、60歳以上に適用されるシニア料金が設けられている。日本国内のおもな旅行代理店で購入でき、発行から11か月以内に使用を開始すればよい。最初の使用日に駅の切符売場で日付とパスポート番号を記入してもらい、確認のスタンプvalidation stampを押してもらう。
誕生は1957年、ヨーロッパにTEE(トランス・ヨーロッパ急行)が運転されたときに航空機に対抗してできた鉄道サービスで、アメリカでのみ発売された。当時は使用できる国は13か国(ドイツは西ドイツのみ)であったが、その後対象国が拡大した。日本でも購入できるようになり、外貨の持ち出しに制限のあった1960年代前半の日本からの留学生に多く利用された。またジュニア(導入時は4~11歳)と2等ユースパス(導入時は12~25歳)、2か月のうちに一定日数を利用できるフレキシーパス、2人以上で旅行するグループ用のセーバーパスが追加された。1980年代に入って、観光客が急増すると、各国は自国内を自由に乗れる周遊パスを発行するようになった。ユーレイルパスに準じた各国のパスには、ブリットレイルパス(イギリス)、ジャーマンレイルパス、スイスパスなどがある。2001年からは、ユーレイルパスが利用できる国のなかから隣接する数か国を選択できるユーレイルセレクトパスが登場した。なお、2019年にセーバーパスとユーレイルセレクトパスが販売中止となるなど、これまで何度か制度が変更されている。
日本でもこれに倣って、JRが訪日外国人用にジャパン・レール・パスを発行している。これはJR全線の特急を含む指定席に乗りほうだいのパスで(新幹線のぞみ、みずほを除く。寝台車など利用にあたり追加料金が必要な車両が一部ある)、7日間、14日間、21日間有効のグリーン車用、普通車用のものが発売されている。
[畑 暉男・青木 亮 2020年11月13日]
『長真弓著『ヨーロッパ鉄道大旅行ユーレイルパスを使って』(1996・晶文社)』▽『『地球の歩き方旅マニュアル258 ヨーロッパ鉄道の旅』改訂第8版(2000・ダイヤモンド社)』
一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...
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