ヨーロッパ横断特急Trans-Europe-Expressの略。ヨーロッパの主要都市を結ぶ国際特急列車で,オランダ国鉄の総裁デン・ホランダーの提唱のもとに,1956年6月,まず10本が登場した。第2次大戦後,航空機に乗客を奪われ,苦境に立ったヨーロッパの鉄道の起死回生策として打ち出されたもので,鉄道は都心にターミナルをもっているという利点を生かして高速列車を走らせれば,300~500kmの区間では十分に航空機と競争できると考えたのである。その代表的な例がフランスのパリとベルギーのブリュッセルの区間で,TEEは312km離れた両都市を2時間30分で結び,ビジネスマンを中心に多くの利用客があった。TEEはフランス,西ドイツ,イタリア,スイス,オランダの各国鉄が自慢の最新型車両を使い,全車1等車,食事のサービスがあり,最高速度は160~200km/hであった。ヨーロッパには多数の特急列車が走っていたが,TEEとして認められるにはTEE委員会の審査に合格しなければならなかった。当初TEEは国際列車に限られたが,その後,一国内だけを走る特急列車でも,スピードと設備が一流ならばTEEに加えられることになった。最盛期には40本を超えたが,1等専用のため利用客に限度があり,80年代に入ると2等車も連結した〈インターシティ〉に変わる列車が増え,TEEの本数は少なくなった。87年5月からは〈ユーロシティ〉列車網が作られて,TEEと国際〈インターシティ〉はこれに代替された。
執筆者:山之内 秀一郎
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…現在〈茶〉を意味する世界各国の言葉は,語源的には中国の広東語のチャch’aと福建語のテーtay(te)の2系譜に従って大きく二つのグループに分けることができる。チャの系譜に属するものに,日本語,ポルトガル語のcha,ヒンディー語cāy,ペルシア語chāy,アラビア語shāy,ロシア語のchai,トルコ語のçayなどがあり,一方テーの系譜に属するものとしては,オランダ語のthee,ドイツ語のTee,英語のtea,フランス語théなどがある。しかし17世紀中ごろ以前にはteaという英語の使用例はない。…
※「TEE」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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