日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨハネ・パウロ」の意味・わかりやすい解説
ヨハネ・パウロ(2世)
よはねぱうろ
Johannes Paulus Ⅱ
(1920―2005)
正式にはヨハネス・パウルス。第264代ローマ教皇(法王)。本名カロル・ウォイティワKarol Józef Wojtyla。ポーランド南部バドビチェに生まれる。第二次世界大戦のため大学の勉学を中断、労働しながら神学を学び、1946年司祭となる。1967年枢機卿(すうききょう)に指名され、1978年、455年ぶりにイタリア人でない教皇として選任された。共産圏出身者であったため、とくに平和への関心が強く、世界各地を訪問するなど精力的に活躍、訪問国は129か国にもおよび、「空飛ぶ聖座」とよばれた。そのなかには社会主義国のキューバや、東西キリスト教会分裂以来の教皇の訪問となったギリシアも含まれている。1981年(昭和56)に来日した。大学生時代から演劇活動にも従事、アンジェイ・ヤビエニの筆名で戯曲も書いた。
[大谷啓治 2017年12月12日]
『カトリック広報委員会監修『教皇ヨハネ・パウロ二世訪日公式メッセージ』(1981・中央出版社)』▽『カロル・ウォイティワ著、石脇慶総訳『愛と責任』(1982・エンデルレ書店)』▽『J・パウロ2世述、相馬信夫訳『「世界平和の日」に当たっての教皇ヨハネ・パウロ二世のメッセージ』(1982・カトリック中央協議会)』▽『J・パウロ2世著、斎田靖子訳『怒濤に立つ教皇ヨハネ・パウロ二世自伝――賜物と神秘 司祭叙階五十周年記念に』(1997・エンデルレ書店)』▽『ヨゼフ・サンティ編『パパウォイティワ――ヨハネ・パウロ2世教皇小伝』(1980・ドン・ボスコ社)』▽『宮平宏・藤谷健著『ローマ法王――世界を駆けるヨハネ・パウロ2世』(2001・岩波書店)』