日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨードホルム反応」の意味・わかりやすい解説
ヨードホルム反応
よーどほるむはんのう
iodoform reaction
アセチル基CH3CO-をもつ化合物に水酸化アルカリとヨウ素を加えて加熱するとヨードホルムを生成する反応をいう。この反応では、最初にトリヨードアセチル体R-COCI3ができて、これが加水分解されてヨードホルムとカルボン酸塩を生ずる。
ヨードホルムは黄色の結晶で特有の臭気を有するため、微量生成しても感知できるので、アセチル基の定性的検出反応に用いられていた。ただし、エタノール(エチルアルコール)などのCH3-CH(OH)-原子団をもつ化合物も、この反応と同じ条件下で酸化されてアセチル基になり、引き続きこの反応をおこすので、この反応だけでは区別できない。
この反応は、他のハロゲンでもおこり、一般にハロホルム反応とよばれているが、生成物のにおいはヨードホルムほど強くない。
[加治有恒・廣田 穰 2016年11月18日]