ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヨーロッパ国家体系」の意味・わかりやすい解説 ヨーロッパ国家体系ヨーロッパこっかたいけいEuropean State System 三十年戦争後,1648年に調印されたウェストファリアの講和を機に成立した,きわめて制度化されたヨーロッパの国家間関係。国家主権,国際法,勢力均衡の3つを原則とする。この背景には,中世における教皇権,皇帝権の至高性が薄れ,中央集権的で自律的な国民国家が統合・確立したという歴史的経緯がある。とはいえ,各国が共有していた中世キリスト教世界観が基盤となっていたことも確かであり,その意味では近代的であると同時にヨーロッパ的なシステムである。 20世紀に入り,アジア,アフリカなどの非キリスト教文化圏の国家の参入や,核兵器の出現によりシステムの根本がゆらぐようになった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by