ラカトシュ(その他表記)Imre Lakatos

デジタル大辞泉 「ラカトシュ」の意味・読み・例文・類語

ラカトシュ(Imre Lakatos)

[1922~1974]ハンガリー生まれの科学哲学者。後に英国に渡る。ポッパー反証主義クーンのパラダイム論を総合、科学的リサーチプログラムの方法論を提唱した。著「数学発見論理」「方法擁護」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラカトシュ」の意味・わかりやすい解説

ラカトシュ
Imre Lakatos
生没年:1922-74

ハンガリー生れのイギリスの科学哲学者。ユダヤ系で,第2次大戦中は反ナチ運動に身を投じ,戦後文部行政にあったが,反スターリン主義を掲げて西側に亡命,K.ポパー知遇を得て,イギリスでポパーの後任として,ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの教授となった。哲学的立場もポパーの後継者をもって任じ,論理学,数学の問題への関心から,ポパー的反証理論を使った《数学的発見の論理》を発表。その後同世代のT.S.クーン,P.K.ファイヤアーベントら新しい科学史,科学哲学の潮流に抗して,ポパーの反証理論と合理主義を守るべく,科学研究プログラム論を展開し,精緻(せいち)化した反証主義sophisticated falsificationismの立場をとったが,精力的な活動の最中に,51歳の若さで急死した。
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