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方法論 ほうほうろんmethodology

翻訳|methodology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

方法論
ほうほうろん
methodology

真理を得るための方法を考察する哲学的学科。広い意味での論理学の一部門。方法についての考察は古くからあるが,方法の考察を一つの独立した学問とするようになったのは近世以後のことである。カントは『純粋理性批判』を2部に分ち,物の本性を考察する先験的原理論に対して,知的活動に応じる物の選択を主題とする第2部を先験的方法論と名づけた。この書物全体が方法論であり,カント哲学の本質は方法論であるともいえる。カントの立場は新カント派に受継がれ,ナトルプ汎方法論を生んだ。ヘーゲルの論理学も一種の方法論である。またフッサール現象学は厳密な学たらしめるための方法論であり,ウィトゲンシュタインラッセルの原理的考察は論理実証主義の方法論である。またソシュールの言語学は構造主義の方法論の位置を占めている。このように方法論はそれだけで哲学の全体を構成する場合もあり,20世紀には特に方法論的思索が哲学の潮流を変化させているということができる。

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デジタル大辞泉の解説

ほうほう‐ろん〔ハウハフ‐〕【方法論】

学問の研究方法そのものを論理的に考察し、真理を得るための妥当な方法を探求する分野。

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大辞林 第三版の解説

ほうほうろん【方法論】

〘哲〙 学問研究の方法に関する理論的反省。狭義には科学の方法(分析・総合、帰納・演繹)への論理的・認識論的反省を指す。科学方法論。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

方法論
ほうほうろん
methodology英語
mthodologieフランス語
MethodenlehreMethodologieドイツ語

知識を得るための方法についての論議のこと。哲学には昔から方法論的な性格があった。プラトンの「対話篇(へん)」には、ソフィストの方法とソクラテスの方法との違いについての議論が盛んに出てくるし、アリストテレスの『形而上(けいじじょう)学』も方法についての話から始まる。中世には、神学の方法と哲学の方法との違いが論ぜられた。また東洋でも、方法論に思いを潜めた思想家は多い。しかし、現代人が「方法論」の名のもとに関心をもつのは、主として科学方法論と思われる。近世になって、新しい認識方法としての自然科学が登場するに及び、多くの哲学者がこの新しい学問の方法の性格づけを求めた。ベーコン、デカルト、ライプニッツ、カントらは、とくに方法論的関心が強かった。しかし、新しい方法の意味を的確にとらえていたのはやはり科学者のほうで、ガリレイ、ボイル、ニュートンらには、方法論のうえでも優れた発言が多い。
 自然科学の方法の成功の秘密の一つは、いうまでもなく実験と観察を重んじたことであるが、さらにこのほかに、数学、つまり論理を重んじたことに加え、カテゴリーを時間、空間、質量に関するものに限ったということが重要な点である。そこで、社会科学や人文科学の領域にも、前記の三つの特色を備えた方法を導入し、新生面を開こうとする試みが、19世紀において盛んであった。けれども、この試みはあまり成功せず、したがって、この領域では別の方法が必要だとする意見も多かった。近ごろになり、カテゴリーの制限にはかならずしもこだわらず、論理的な面に注目することにより、すべての科学に通ずる方法を統一的に論じようとする考え方が出てきた。これは、一方では論理学の発展と、他方ではいわゆる数理科学の発展と関係のある事柄である。なお、各科学特有の個別的な方法についての議論を「小文字の方法論」ということがある。たとえば、心理学や経済学はこの小文字の方法論がいまなおよく行われている分野である。[吉田夏彦]

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