改訂新版 世界大百科事典 「ラフィア」の意味・わかりやすい解説
ラフィア
raphia palm
raffia palm
Raphia
ヤシ科の小高木。幹は単一,まれに分岐する。葉は羽状全裂し,羽片は先端が細くとがり,基部に剛毛がある。肉穂花序は雌雄同株で,長さ1~4mの大きい円柱形,葉束中から生じ,枝を多数分岐し,最終梗は短くて太い。果実は光沢ある褐色の革質鱗片でおおわれ,卵形,楕円形または長楕円形で頂端にくちばし状の突起があり,なかに1個の種子がある。果房は重量100~150kgにおよび,株は結実後,枯死する。熱帯アフリカ,マダガスカル,マスカリン諸島に38種,熱帯アメリカに1種を産する。多くの種類の葉からとれるラフィア繊維はマット,籠,帽子などを編むほか,園芸で接木に結束用として広く利用された。とくにR.ruffia Mart.から良質の繊維がとれた。葉は屋根ふき用となる。R.vinifera Beauv.の花序の軸からとれる液汁で酒をつくり,また種子は工芸用に利用され,アフリカゾウゲヤシの名がある。
執筆者:初島 住彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報