リマ宣言(読み)りませんげん(英語表記)Lima Declaration on the Law of the Sea

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リマ宣言」の意味・わかりやすい解説

リマ宣言
りませんげん
Lima Declaration on the Law of the Sea

1970年8月にペルーリマで開催された「海洋法に関する中南米諸国会議」が採択した宣言。沿岸国は、地理的、地質学的、生物学的特徴と海洋資源を利用する必要性を考慮して、海洋への主権または管轄権限界を決定する権利をもつことを宣言したもの。1952年8月にチリ、ペルー、エクアドル三国は、領海を200海里まで拡大するサンティアゴ宣言を発表した。また中南米諸国は、70年5月のモンテビデオ宣言でも、沿岸国が領海の範囲を決定する権利をもつと宣言した。リマ宣言は、これらの宣言を継承するもので、第三次海洋法会議へ向けて、領海の幅の問題に関する中南米諸国の足並みをそろえようとしたものである。

[高林秀雄]

『高林秀雄著『海洋開発の国際法』(1977・有信堂高文社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リマ宣言」の意味・わかりやすい解説

リマ宣言
リマせんげん
Declaration of Lima

1938年リマにおける第8回米州会議で採択された米州の連帯に関する原則の宣言。当時ラテンアメリカにおいて顕著となったナチス・ドイツ脅威に対抗し,いかなる米州の国家に対する平和安全保障あるいは領土保全への脅威も南北アメリカ諸国の共通関心事であることを確認した。しかしアメリカ合衆国主導権を嫌うアルゼンチン反対があり共同防衛についてはいかなる義務も規定されなかった。さらにこの協議機関として外相会議が設置され,39年9月パナマで第1回外相会議が開かれた。

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