日本大百科全書(ニッポニカ) 「リュウキュウムラサキ」の意味・わかりやすい解説
リュウキュウムラサキ
りゅうきゅうむらさき / 琉球紫蝶
great eggfly
[学] Hypolimnas bolina
昆虫綱鱗翅(りんし)目タテハチョウ科に属するチョウ。本種は西はインドから東はオーストラリア、さらにサモア諸島、フィジーにわたり東洋熱帯から亜熱帯に広く分布するもので、日本で発見されるのは南方地域からの迷チョウ。台湾における土着は確実であるが、八重山(やえやま)列島では土着種か迷チョウかは不明、迷チョウの可能性が強い。はねの開張は60~90ミリメートル程度。本種は世界に産するチョウのなかでも地理的、個体的変異の著しいことで知られており、日本で発見される雌には台湾型、フィリピン型、マレー型、大陸型などの諸型のほか、各種の程度の混合型がみられる。日本に飛来した迷チョウは、栽培されたサツマイモ(ヒルガオ科)を食草として一時的に発生する場合もあるが、冬を越すことはできない。
[白水 隆]