日本大百科全書(ニッポニカ) 「リンドナー」の意味・わかりやすい解説
リンドナー
りんどなー
Richard Lindner
(1901―1978)
ドイツ出身のアメリカの画家。ハンブルクに生まれる。最初は音楽を学んだが1922年から絵画に転向し、33年にはパリに移住した。第二次世界大戦中は連合軍兵士として戦った経験もあり、41年にはアメリカに移住。イラストレーターとして生計をたてたのち、50年代初頭から絵画に専念した。現代の商業的風土をはでな色彩で描いた絵画は、ポップ・アートの先輩格でもある。好んで大都会の夜に生息する退廃的な群像を商業広告のような手法で描き出し、革製の衣装やブーツに締め付けられて性的部分を強調された豊満な女性像が特異な雰囲気を生み出している。
[石崎浩一郎]