日本大百科全書(ニッポニカ) 「リーフマン」の意味・わかりやすい解説
リーフマン
りーふまん
Robert Liefmann
(1874―1941)
ドイツの経済学者。ハンブルク生まれ。ミュンヘン大学およびフライブルク大学に学ぶ。1904年フライブルク大学助教授、1914年から1933年まで同大学教授。彼の学説は、『経済原論』(1924~1927)に現れているように、オーストリア学派の主観的、心理的要素を強化した点に特色がある。しかし彼の業績の中心は、企業形態とくに独占企業の形態の研究と、それに関連した資本主義の規定である。前者については『カルテル、コンツェルン、トラスト』Kartelle, Konzerne, Trusts(1905)、『企業形態論』Die Unternehmungsformen(1912)などがあり、カルテルの分類、持株会社や監査会社の性格規定について、先駆的見解を示した。後者については『資本参与と金融会社』Beteiligungs und Finanzierungsgesellschaften(1909)において、証券資本主義Effektenkapitalismusという名称を初めて用いた。
[森本三男 2018年12月13日]