現代外国人名録2016 「ロバートフリップ」の解説
ロバート フリップ
Robert Fripp
- 職業・肩書
- ロック・ギタリスト
- 国籍
- 英国
- 生年月日
- 1946年5月16日
- 出生地
- ドーセット州
- グループ名
- グループ名=キング・クリムゾン〈King Crimson〉
- 経歴
- 父は不動産業を営み、中産階級ながら割合に裕福な家庭に育つ。少年時代からバイオリンの演奏を始めるが、やがてギターに転じ、1965年頃からはロックバンドにも参加した。’68年マイケルとピーターのジャイルズ兄弟とジャイルズ・ジャイルズ&フリップを結成し、「ザ・チアフル・インサニティ・オブ・ジャイルズ・ジャイルズ・アンド・フリップ」をリリース。のち同バンドにイアン・マクドナルドやピート・シンフィールドが加入し、さらにピーター・ジャイルズに代わってベーシスト兼ボーカリストのグレッグ・レークが加わったことから、’69年バンドをキング・クリムゾンに発展・改組し、ファーストアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」を発表。同作はロックというジャンルにジャズやクラシックの要素を導入し、ビートルズのラストアルバム「アビーロード」を落として全英チャート1位となったと宣伝されるなど(実際は全英チャート5位が最高位だったといわれる)各方面で絶賛され、’70年代のロックシーンを席巻するプログレッシブ・ロック・ムーブメントの火付け役となった。間もなくバンドの音楽の方向性を主導していたマクドナルドが脱退したことからバンドの中心人物となり、たび重なるメンバーチェンジを経て、’73年アルバム「レッド」を発表し、バンドを解散。以後はギタリストやプロデューサーとしてデビッド・ボウイやピーター・ガブリエル、アンディ・サマーズ、トーキング・ヘッズら多彩なミュージシャンたちと仕事をする一方、ブライアン・イーノとともにフリップ&イーノを組んでアンビエント・ミュージックを模索し、’79年には初のソロアルバム「エクスポージャー」を発表した。’80年代初頭にはリーグ・オブ・ジェントルマンを結成して活動。’81年ギタリストのエイドリアン・ブリュー、ベーシストのトニー・レビン、ドラマーのビル・ブルーフォードとキング・クリムゾンを再結成し、折からのパンク・ニューウェーブ・ムーブメントを見据えた人力テクノとも言うべきサウンドで新機軸を開いたが、3枚のアルバムを残しただけで’84年活動を休止した。’94年にはブリュー、レビン、ブルーフォードといった’80年代のメンバーに、トレイ・ガン、パット・マステロットといった若手プレイヤーを加えて三たびキング・クリムゾンを復活させた。一方で、’85年からギター・クラフトを主宰して後進ギタリストの育成にも尽力。また海賊版音源(ブートレグ)の横行に対処するため自身のレーベルであるディシプリン・グローバル・モービルを設立し、キング・クリムゾンや関連ミュージシャンの音源管理及びリリースを行う。2006年にはマイクロソフトの新OS「ウィンドウズ・ビスタ」の起動音を作曲し、話題となった。2015年、キング・クリムゾンとして12年ぶりの来日公演を行う。複雑なコード進行を難なく、かつ長時間こなすことができるなどロック界屈指の技巧派ギタリストとして高い評価を得る。また、フリッパートロニクスやサウンドスケープなどギターの音楽的空間をさらに引き出す新しい音楽機材の開発にも余念がない。他のソロアルバムに「ブレッシング・オブ・ティアーズ」「レディオフォニックス」「ラブ・キャンノット・ベア」などがある。妻は元ミュージシャン・女優のトーヤ・ウィルコックス。
出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報