翻訳|Icelandic
アイスランド共和国の公用語であり,22万人(1977)により使用されている。西ノルド語に属し,その歴史は古アイスランド語(9~16世紀),近代アイスランド語(16世紀~現在)の二つの時期に区分される。アイスランド語は,9世紀末以後ノルウェー西部から移住した人々のもたらした言語にその源を発し,西ノルウェー語と密接な関係がある。最古の記録は12世紀末のラテン文字による法律に関する写本であり,13世紀から14世紀にはエッダ,サガ,スカルド詩などの数多くの写本が成立した。16世紀に起こった種々の音変化とともに近代アイスランド語の時代に入るが,文法の面ではほとんど変化せず,名詞・動詞などに関して,古くからの複雑な屈折体系が保たれている。また語彙の面では,外来語が少なく,現代科学技術に関する語彙もアイスランド語本来の語で補われている,という特徴を持っている。
執筆者:斎藤 治之
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アイスランド共和国の国語。フェロー語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語とともに北ゲルマン語派を形成している。アイスランドは古くは無人島であったので、アイスランド語の成立は、9世紀に始まったノルウェーのバイキングの移住に始まる。したがって最古層のアイスランド語の写本と、ほぼ同時代のノルウェー語の写本との間には、とりたてていうほどの方言差がなく、事実上同一の言語である。
その後ノルウェー語は言語が大きく変わったが、アイスランド語はたいへん保守的で、名詞、形容詞、動詞などの屈折も、古語のそれを忠実にほとんど変えるところなく今日に伝えているうえ、語彙(ごい)面でも古語のほとんどが今日でもなお生きているともいえるので、アイスランド人は特別の勉強なしに13世紀ごろの古アイスランド語や古ノルウェー語をそのまま読んで理解できる。
[森田貞雄]
『森田貞雄著『アイスランド語文法』(1982・大学書林)』
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…東ゲルマン語は現在では死語となっている。北ゲルマン語には,北欧の地で6世紀ころまで均一であったノルド基語が分化してできた,現在のアイスランド語,ノルウェー語,フェロー語,スウェーデン語,デンマーク語が属している。西ゲルマン語はエルベ・ゲルマン人,ウェーザー・ライン・ゲルマン人,北海ゲルマン人の三つの部族集団の言語を総称したものである。…
※「アイスランド語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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