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アイルランド独立戦争 あいるらんどどくりつせんそうIrish Independent War

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アイルランド独立戦争
あいるらんどどくりつせんそう
Irish Independent War

第一次世界大戦直後、独立を宣言したアイルランドがイギリスの鎮圧部隊と戦って自治を獲得した戦争(1919~1921)。イギリス側はこれを戦争とは認めず争乱としている。
 1916年のイースター蜂起(ほうき)はダブリンと一部地方の蜂起にすぎず、1週間足らずで鎮圧された。民衆はこの蜂起に関心を示さず、反感さえみせたが、参加者を上回る逮捕者、直後の指導者の処刑が世論を一変させ、翌年、蜂起勢力がシン・フェイン党(シン・フェイン党は蜂起に参加しなかったが、指導者のグリフィスはじめ多くの逮捕者を出し、またイギリス側はこの蜂起をシン・フェインの反乱とよんだ)と名のって再建され、次々と補欠選挙で勝利した。このシン・フェイン党が第一次大戦直後の総選挙で圧勝し、翌年国民議会をダブリンに開設して独立を宣言した。シン・フェイン党の方針は国家としての実体を築いて国際的承認を獲得するという非暴力主義であった。ところが国民議会開設と同日の1919年1月21日、ティペレリー州のソロヘドベグでアイルランド義勇軍(国民議会の独立宣言後、義勇軍であると同時に独立を宣言したアイルランド共和国の軍隊となった)が警官を襲撃する事件を起こし、国民議会の合法主義に反対して各地でゲリラ戦を展開した。国民議会の行政にはアイルランド民族各階層からの協力、支持があり、同時にアイルランド義勇軍にも民衆の支持が寄せられた。義勇軍はイギリス軍の兵舎を襲撃して武器弾薬を奪い、待ち伏せしてイギリス兵を狙撃(そげき)し、イギリス兵の乗った列車を爆破した。ゲリラの鎮圧に悩み、イギリスは「ブラック・アンド・タン」(黒と焦げ茶の制服を着ていたことに由来する)という特殊部隊を派遣して無差別な弾圧を始めた。そのため国際世論の非難が集中し、イギリスはついに義勇軍(共和国軍)と休戦条約を結び、さらに国民議会とイギリス・アイルランド条約を結んで、独立に近い地位のアイルランド自由国樹立を認めた。これが現在のアイルランド共和国の前身である。[堀越 智]
『堀越智著『アイルランド独立戦争1919―21』(1985・論創社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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