アウノー(英語表記)Awoonor, Kofi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アウノー」の意味・わかりやすい解説

アウノー
Awoonor, Kofi

[生]1935.3.13. イギリス領ゴールドコースト,ウェタ
[没]2013.9.21. ケニア,ナイロビ
ガーナ詩人,小説家。1968年に改名するまでは George Awoonor-Williamsの筆名を使う。ガーナ大学,ロンドン大学,ニューヨーク州立大学などで学んだ。ケープコースト大学文学部部長を務めたこともあるが,長くニューヨーク州立大学でも教えた。駐フランス大使,駐キューバ大使ほか,国際連合大使も務めた。その詩は,出身のエウェ族フォークロア(→民間伝承)の影響が濃く,フランス,ドイツ,ロシア,中国などでも翻訳されている。ナイジェリアのムバリ出版局から出た第1詩集『再発見その他』Rediscovery and Other Poems(1964)や,第2詩集『夜のような,わが血』Night of My Blood(1971)で民族的伝統の再発見をうたい上げている。作家活動以外にも,ガーナ映画産業への参加,文芸誌『オキエアメ』Okyeameの編集など,活躍は多方面にわたる。作家連盟を代表して中国を訪問したこともある。小説には,独立後の社会における腐敗の構造や偽善を描く『この大地,わが同胞』This Earth, My Brother(1971)がある。ガーナの詩人たちの作品集『メッセージ:ガーナ詩集』Message: Poems from Ghana(1971)を編集。ケープコースト大学で教えるためニューヨークから帰国直後の 1975年には,政治亡命者を支援したとの罪状で逮捕された。ほかに,評論集『大地の胸――アフリカ文学・文化・歴史の批判的概説』The Breast of the Earth(1975),獄中体験を含む詩と散文で構成した『海辺の家』The House by the Sea(1978)など。(→アフリカ文学

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