日本大百科全書(ニッポニカ) 「アツギ」の意味・わかりやすい解説
アツギ(株)
あつぎ
パンティー・ストッキングの最大手メーカー。1944年(昭和19)堀禄助(ろくすけ)(1908―1993)が神奈川県海老名(えびな)で片倉工業と共同で創業した工場が前身。第二次世界大戦後の1947年に厚木編織を設立、捕鯨用絹ロープの受託加工を始めた。1951年に漁網関係加工を中止し、東洋レーヨンのナイロン生産本格化を契機に、1952年シームレス・ストッキングの生産を開始、1960年に社名を厚木ナイロン工業とした。1961年に直販体制構築のため、厚木ナイロン商事を設立、1964年にはファンデーション、ランジェリーなどの生産も開始した。1966年に生産拠点の地方分散化第1号として青森県にアツギむつナイロンを設立。1968年にはパンティー・ストッキングの生産を開始、アツギ白石ナイロンやアツギ佐世保ナイロンを設立し、生産の基盤を固めた。1979年に極細の特殊弾性糸を使った、フルサポーティ・パンティー・ストッキングを発売する。1972年には住宅産業にも進出するが、1992年(平成4)に撤退。パンティー・ストッキングなどの需要減少により業績が停滞、そのためグループ企業再編を図り、1999年10月に厚木ナイロン商事を合併し、アツギとなる。資本金317億円(2008)、売上高246億円(2008)。
[中村青志]
『アツギ株式会社編・刊『アツギ60年史』(2007)』