旺文社世界史事典 三訂版 「アラビア」の解説
アラビア
Arabia
住民はセム語系のアラビア人を主体とし,イスラームを信仰している。古くからセム系の諸民族が活躍していたが,部族的割拠が強く,7世紀にムハンマドが出て,初めて政治的・宗教的統一が成功。その後継者によるシリア・エジプト・ペルシア征服により,西アジアの中心的存在になった。しかしその後,ウマイヤ朝・アッバース朝の中心がそれぞれダマスクス・バグダードに移ったため,アラビア諸族は再び分立し,マムルーク朝,ついでオスマン帝国の支配下に置かれた。第一次世界大戦中,イギリスと協力してオスマン帝国から独立し,大アラビア国を建設する動きが起こり,1916年半島西岸部にヒジャーズ王国が成立した。その後,半島東部でイブン=サウードがネジド王国を建て,ヒジャーズ王国を滅ぼして,1926年ヒジャーズ−ネジド王国を建設,32年にはサウジアラビアと改称し,半島の大部分を統一した。第二次世界大戦後,アラブ連盟に加入。イエメン以外の諸国では今日でもイスラーム法典による内政で,国王やイマーム(イスラーム教主)の独裁下にある。半島東部は世界最大の石油埋蔵地でもある。
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