晩冬の宵、南の地平線上低く見える巨大な星座。アルゴはギリシア神話に登場する船の名で、テッサリアの大都イオルコスの王子イアソンが、金毛の羊(おひつじ座)の毛皮を獲得するため、コルキス国に遠征したときの巨船である。この星座はあまりにも大きすぎるという理由から、古代ギリシア時代から、ほ座(帆座)、とも座(船尾(とも)座)、ほばしら座(帆柱座)、りゅうこつ座(竜骨座)の4星座に分割して見られていた。その後、18世紀のフランスの天文学者ラカイユが、ほばしら座をらしんばん座(羅針盤座)の呼び名に改め、それぞれが正式な星座として独立させられ、今日ではアルゴ座とよばれることはなくなっている。
[藤井 旭]
ギリシア神話のイアソンの金羊毛獲得の遠征隊を運んだ巨船〈アルゴ〉にちなんだ南天の星座。現在では,この名は使われない。この星座はたいへん大きく広いので,1752年N.L.ラカイユは,これをりゅうこつ(竜骨),とも(艫),ほ(帆),らしんばん(羅針盤)の4星座に分割した。
→アルゴナウタイ伝説
執筆者:石田 五郎
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…フランスの天文学者N.ラカイユが分割命名した。ギリシア時代にはアルゴ座というギリシア神話のアルゴ船をかたどった広大な星座があったが,あまりに広い天域を占めるので,とも(船尾),りゅうこつ(竜骨),ほばしら(帆柱),ほ(帆)の4部分に分割され,さらにほばしら座はらしんばん(羅針盤)座に変更された。天の川に面し,1942年11月にこの星座に新星が出現し,アルゼンチン,アメリカなどで数人により発見された。…
※「アルゴ座」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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