アンダーソン(読み)あんだーそん(英語表記)Carl David Anderson

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アンダーソン(Carl David Anderson)
あんだーそん
Carl David Anderson
(1905―1991)

アメリカの原子物理学者。ニューヨークに生まれ、1927年カリフォルニア工科大学を卒業、1930年同大学で学位取得後、1933年カリフォルニア工科大学助教授、1939年同大学教授になった。アメリカ原子物理学の基礎の建設者ミリカンのもとで、原子核構造の手掛りを与えるとして当時注目され始めていた宇宙線研究を開始、まず強磁場中の飛跡によって宇宙線粒子のエネルギーを測定するある種の霧箱装置を製作、それを使用して実際に宇宙線粒子のエネルギーが1億電子ボルト以上であることを確認した(1931)。翌1932年、多数撮影した宇宙線の飛跡の写真のなかから、ある点から正・負の帯電粒子が1対になって飛び出している像をみつけた。これが陽電子(ポジトロン)の発見である。一方の負の粒子は電子であるが、他方の正の粒子は陽子ではなく、ディラックが1928年に理論上その存在を予言していた陽電子であり、「電子対生成」とよばれるこの現象自体、相対性理論における物質とエネルギーの同等性の原理を実験的に証明するものであった。この陽電子発見の業績により1936年にノーベル物理学賞を受けた。そのほか、アメリカの物理学者ネッダーマイヤーSeth Henry Neddermeyer(1907―1988)と共同での宇宙線中の中間子の発見(1937)をはじめ、μ(ミュー)中間子の自然崩壊によって電子と2個のニュートリノが生成することを確かめる(1949)などの業績がある。[宮下晋吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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