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ニュートリノ ニュートリノ neutrino

翻訳|neutrino

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ニュートリノ
ニュートリノ
neutrino

電荷 0 ,スピン 1/2の素粒子レプトンの一種。中性微子ともいう。電子ニュートリノμニュートリノτニュートリノの 3種類が存在する。質量が小さすぎて観測にはかからず,質量の上限がおのおの<2eV,<0.19MeV,<18.2MeVと判明している。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

ニュートリノ

物質をつくる基本粒子レプトンの仲間。電気的に中性で、ほかの粒子と反応しにくい。宇宙に遍く1立方センチ当たり300個ほどあるらしい。中性微子の名も。弱い力の現象で、どのレプトンと対をなして現れるかにより、電子型、ミュー(μ)型、タウ(τ)型がある。電子型の存在は1930年代初め、W.パウリベータ(β)崩壊でエネルギー保存則が破れてみえることから予言、56年にF.ライネスらが検出した。残る2つも確認済み。質量はないか極めて小さいとされ、標準理論はゼロとしているが、70年代から太陽ニュートリノ観測が「質量あり」を示唆、98年、東大宇宙線研究所などの日米グループスーパーカミオカンデ大気ニュートリノ観測でも、質量があれば起こる異型間変身(ニュートリノ振動)を見た。

(尾関章 朝日新聞記者 / 2007年)

ニュートリノ

物質を構成する最小の単位である素粒子の一つ。電気的に中性(ニュートラル)であることから、イタリア物理学者フェルミによって名付けられた。
素粒子には、大きく分けると、原子核の陽子や中性子を構成する粒子の仲間である「クォーク」、電子の仲間である「レプトン」、及び「ゲージ粒子」の三つのグループ及びヒッグス粒子がある。レプトンのうち、電気を持たない粒子がニュートリノで、電子型、ミュー型、タウ型の3種類がある。レプトンには他に、電子、タウ粒子ミュー粒子がある。
1931年、ユダヤ系物理学者のパウリが理論的にニュートリノの存在を予言し、仮想的な素粒子として知られるようになったが、他の物質と相互作用がほとんどないため観測するのが難しく、質量の有無も長い間不明で、標準理論においては質量はゼロとして扱われてきた。
56年、アメリカの物理学者ライネスらによって原子炉から発生するニュートリノが捉えられた。アメリカの物理学者デービスは、68年までに太陽から放出されるニュートリノを確認したが、その後の観測により、ニュートリノは理論値の約3分の1しか発見されず、「太陽ニュートリノ問題」と呼ばれる物理学上の大問題となった。
87年2月、ニュートリノ観測装置カミオカンデ(岐阜県飛騨市神岡鉱山内)が超新星から飛んできたニュートリノ11個を世界で初めて捉えた。このニュートリノは、16万光年かなた大マゼラン星雲で起きた超新星爆発SN1987Aによって生じたもので、この功績により小柴昌俊とデービスは2002年、ノーベル物理学賞を受賞した。
95年、カミオカンデ(タンク容積3000トン)を大幅に増強したスーパーカミオカンデ(同5万トン)が完成。翌96年から観測が始まり、98年に「ニュートリノ振動」を捉える。ニュートリノ振動とは、ニュートリノがある距離を飛行する間に別の種類のニュートリノに変化する現象で、変化の前後で2種類のニュートリノの質量が異なる場合にのみ起こることから、ニュートリノに質量があることの証拠となる。観測では、スーパーカミオカンデの上空でできた大気ニュートリノと、地球の裏側でできて地球を貫通してきた大気ニュートリノを比較したところ、地球の裏側から来るミュー型ニュートリノが上空からの半分であることが判明した。これは、地球を通る間にミュー型ニュートリノが、スーパーカミオカンデで観測できないタウ型に変化したこと、すなわちニュートリノ振動の証左である。
標準理論に修正を迫るこの発見の功績により、2015年、梶田隆章にノーベル物理学賞が授与された。

(葛西奈津子 フリーランスライター/2015年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ニュートリノ

物質を構成する最小の単位である素粒子の一つ。超新星や太陽などから絶え間なく地上に降り注いでいるが、他の物質と反応しにくく、動物の体も地球をも貫いて飛んでいくため、観測が難しい。1996年稼働のスーパーカミオカンデでは、まだ超新星爆発に伴うニュートリノを観測していない。

(2013-08-24 朝日新聞 朝刊 岡山全県 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

ニュートリノ(neutrino)

素粒子の一。レプトンに属し、電荷が零、スピン半整数(1/2)。弱い相互作用に関与し、電子μ粒子τ粒子と対になって現れる3種類のニュートリノ(電子ニュートリノμニュートリノτニュートリノ)が存在することがわかっている。質量の有無が長く論じられてきたが、近年のスーパーカミオカンデの実験などで、質量があることが証明された。記号ν(ニュー) 中性微子。→レプトン

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百科事典マイペディアの解説

ニュートリノ

中性微子とも。素粒子の一つ。レプトンに属し,電気的に中性,質量は1998年にその存在が確認された。スピン1/2。1930年W.パウリβ崩壊の際エネルギーとスピンの保存法則を維持するため理論的に予言,フェルミがこれに基づいてβ崩壊の理論をたてた(1934年)。
→関連項目K中間子小柴昌俊スーパーカミオカンデ素粒子原子核研究所中性子陽子

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素粒子事典の解説

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大辞林 第三版の解説

ニュートリノ【neutrino】

素粒子の一。記号 ν ニユー。電荷 0 、スピン 1/2 で質量はほとんどゼロ。レプトンに属し、弱い相互作用において、それぞれ電子、ミュー( μ )粒子、タウ( τ )粒子と対になって作用する。中性微子。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ニュートリノ
にゅーとりの
neutrino

素粒子の一つ。電荷をもたず、強い相互作用をしないので中性微子ともいう。スピン1/2でフェルミディラック統計に従う粒子である。名称の由来は中性のものという意味である。
 素粒子は、強い相互作用をするハドロンと、それをしないレプトン(軽粒子)、相互作用を媒介する媒介子(ゲージ粒子、ヒッグス粒子)に分類できるが、ニュートリノはレプトンに属する。レプトンはワインバーグ‐サラムの理論によれば、負の電荷をもった荷電レプトンと中性のレプトンが組となって二重項をつくっているが、ニュートリノはこの中性レプトンの総称であり、電子(e)、μ(ミュー)粒子、τ(タウ)粒子と組をなしているものを、それぞれ、電子ニュートリノ(νe)、μニュートリノ(νμ)、τニュートリノ(ντ)とよび、現在この三つが知られている。
 歴史的には、β(ベータ)崩壊は中性子が電子と反ニュートリノを放出して陽子に変わる過程であるが、電磁相互作用ならびに強い相互作用をしないニュートリノは観測にかかりにくく、それの持ち去る分だけエネルギーが非保存のようにみえた。パウリはこの困難を回避するためニュートリノの存在に気づいた(1931)。その実験的検証はたいへん遅れた(ライネスとコーワンClyde Cowan1919―1974による。1956年)。ニュートリノの質量は小さいことが知られている。今日ではニュートリノ振動現象により質量があることは確かである。[益川敏英]
『川崎雅裕著『謎の粒子――ニュートリノ』(1996・丸善) ▽日本物理学会編『ニュートリノと重力波――実験室と宇宙を結ぶ新しいメディア』(1997・裳華房) ▽山田克哉著『はたして神は左利きか?――ニュートリノの質量と「弱い力」の謎』(講談社・ブルーバックス)』

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世界大百科事典内のニュートリノの言及

【素粒子】より

…このように物理学が対象とした万物が原子からなり,その原子がすべてこの3種類の小さな粒子(陽子,中性子,電子)でできているとすれば,これらの小さな粒子こそ,もっとも基本的なものであり,このためこれらの粒子は自然を構成する素元的な粒子という意味で〈素粒子〉と呼ばれるに至ったのである。第2次世界大戦前までに,この3種類の粒子のほかにも,光子(フォトン),中性微子(ニュートリノ),電子の反粒子である陽電子などが素粒子の仲間に加えられ,素粒子の種類も増えていったのであるが,素粒子の存在が明らかになったことでミクロの世界の探究は一段落し,素粒子がミクロの世界の主役となった。 第2次大戦後は宇宙線研究の進歩や加速器の発達もあって続々と新しい素粒子が発見され,現在ではその数は何百にも達している。…

【中性微子】より

…ニュートリノともいう。レプトンの一種。…

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