世界大百科事典 第2版「アンダーソン転移」の解説 アンダーソンてんい【アンダーソン転移 Anderson transition】 半導体中にある種の不純物原子が存在すると,電子はこれを回る軌道にとらえられ,水素原子の場合に似た孤立したエネルギー準位を形成する。このような不純物が適当な密度で散在すると,隣り合う不純物原子間の距離が軌道の直径に比べ何倍か大きくても,量子力学的トンネル効果によって,電子は一つの不純物からその隣へとび移ることができる。これは数学的には,二つの軌道の間の一種の相互作用エネルギーによるものとして表される。 出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報