アンチロックブレーキシステム

デジタル大辞泉 の解説

アンチロック‐ブレーキシステム(anti-lock brake system)

自動車急ブレーキをかけたとき、ロックを起こした車輪ブレーキ油圧機械的ないしは電子的に調節し、安全に止まれるようにした装置ABS

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百科事典マイペディア の解説

アンチロックブレーキシステム

自動車における安全・効果的な制動システムの1種。ABS(antilock brake systemの略)とも。緊急時やすべりやすい路面でブレーキをかけたとき,タイヤ回転が止まり(これをロックという)横滑りする(これをスキッドという)のを防止して,タイヤが最大の摩擦力を得られるようにするとともに進路を保持する自動車のブレーキシステム。タイヤと路面の間の摩擦力は,タイヤが制動をうけながら回転している状態のときの方がロックした状態のときよりも大きく,またロック状態では舵が効かなくなる。このためコンピューターを利用して,ロック状態になりかかるとブレーキ力をゆるめ,回転し出すとまたブレーキをかけるという制御車体が停止するまで繰り返して行う。

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世界大百科事典(旧版)内のアンチロックブレーキシステムの言及

【自動車】より

…ブレーキは保安上もっとも重要な装置の一つであり,万一の故障に対処するため,油圧を発生させるマスターシリンダーに独立した二つの圧力室をもたせたタンデムマスターシリンダーの採用と2系統式配管の二重安全ブレーキ機構が採用されている。すべりやすい路面での制動でドライバーのブレーキ操作を援助するアンチロックブレーキシステム(ABS)も多くの車両に用いられるようになった。これは車輪に設けたセンサーがタイヤの回転状態を検出し,タイヤがロックする前に電子制御により自律的にブレーキ液圧を制御して,すべりやすい路面での制動距離の増大を防ぐとともに車両の方向安定性を確保するシステムである。…

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