イスラエルス(読み)いすらえるす(英語表記)Jozef Israëls

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イスラエルス」の意味・わかりやすい解説

イスラエルス
いすらえるす
Jozef Israëls
(1824―1911)

オランダ画家フローニンゲンでユダヤ人の家系に生まれる。アムステルダムで修業し、1845年からパリ美術学校に学んだ。1847年アムステルダムに帰り、1850年デュッセルドルフ、1862年ロンドンに旅行し、1871年以後ハーグに住む。初めロマン主義から出発し、歴史、宗教、風俗を題材とするが、のち北海の漁夫農民の生活を描く。オランダの伝統絵画を継承する画風、自然光を画面に導入する近代的技法貧困老残の人々への愛情を込めた主題の選択に特色がある。1880年パリでマネに会う。1911年8月12日ハーグで死去。『老年になると』(1878年。ハーグ美術館)が代表作である。

[野村太郎]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イスラエルス」の意味・わかりやすい解説

イスラエルス
Israëls, Jozef

[生]1824.1.27. フローニンゲン
[没]1911.8.12. ハーグ
オランダの画家,版画家。アムステルダムで学んだのち,1845~47年パリで学ぶ。漁師職人家族をロマン派的情調で描き,従来風景画が主体であったアムステルダム画派に新生面を開く。晩年は逸話的,ロマン派的傾向から次第に遠ざかり,人間的存在の不安を描いた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android