スウェーデン南部、イョータランド地方西部の港湾・工業都市。人口は47万1267(2001)で、スウェーデン第二の都市。イョータ川の河口に位置し、カテガット海峡により大西洋に通じる不凍港である。湾外に多島海を配し、風光明媚(めいび)であるが、軍港としても絶好の地である。港は約13キロメートルの岸壁を有し、スウェーデン第一の輸出入港および漁港である。ボルボの自動車工場、造船所をはじめ、約900の大企業と海運会社がある。地方行政の中心地でもあり、地方控訴院がある。「若者の都市」とよばれるほど各種の教育機関を備え、総合大学のほか、チャルマシ工大、シャーグレンスカ医大、芸大、船員大などがあり、ウッレビー競技場、北欧一の室内競技場スカンジナビュームをもつ。イョータ広場、城址(じょうし)公園を中心に、美術館、博物館、劇場が並び、また大遊技場リーセベリィがある。
中世期より商業地として知られ、1473年に旧市街が建設され、イョータホルムGötaholmとよばれた。1603年カール4世により、要塞(ようさい)「イョーテボリ」がヒーシンゲ地区に築かれ、1619年にはグスタフ2世アドルフにより、現市街が建設されてスウェーデン西部の経済、行政の中心となった。1731年スウェーデン東インド会社設立をまって貿易港となり、1800年代後半のイョータ運河開通により、鉄材、木材の輸出量を増し、20世紀に入ると鉄道の敷設、自動車交通の発達により飛躍的発展をみせた。ヨーロッパでも数少ない市内電車があり、スウェーデン最長の吊(つり)橋エルブスボリ橋がある。
[中島香子]
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