ウィルヘルム(1世)(読み)うぃるへるむ(英語表記)Wilhelm Ⅰ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィルヘルム(1世)」の意味・わかりやすい解説

ウィルヘルム(1世)
うぃるへるむ
Wilhelm Ⅰ
(1797―1888)

プロイセン王(在位1861~88)、ドイツ皇帝(在位1871~88)。プロイセン王フリードリヒ・ウィルヘルム3世の次子。保守的で、軍人気質の持ち主。1848年の三月革命で革命の鎮圧に活躍、そのため一時ロンドンに亡命せざるをえなかった。58年病気の兄王フリードリヒ・ウィルヘルム4世の摂政(せっしょう)となり、61年即位。プロイセン陸軍の大増強を目ざし軍制改革案を議会に上程、反対する議会との間に憲法闘争を引き起こした。このため王は窮地に陥ったが、62年ビスマルクを首相に登用、議会を抑えて軍備増強を強行した。71年普仏戦争(プロイセン・フランス戦争)に勝って、プロイセンを中心にドイツ帝国が成立、1月18日ベルサイユ宮殿での戴冠(たいかん)式でウィルヘルムはドイツ皇帝になった。以後、91歳で没するまでビスマルクにすべてを任せ、78年にアナキスト狙撃(そげき)される事件などがあったが、政治の表面にはほとんどたたなかった。

[木谷 勤]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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