ウスパヤタ峠(読み)ウスパヤタトウゲ(その他表記)La Cumbre de Uspallata

デジタル大辞泉 「ウスパヤタ峠」の意味・読み・例文・類語

ウスパヤタ‐とうげ〔‐たうげ〕【ウスパヤタ峠】

Paso de Uspallata南アメリカチリ中部とアルゼンチン北西部のメンドーサ地方の間にある峠。アンデス山脈を越える峠で、両国国境に位置する。チリではベルメホ峠、アルゼンチンではラ‐クンブレ峠ともいう。標高3863メートル。峠の下を鉄道および道路トンネルが通る。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ウスパヤタ峠」の意味・わかりやすい解説

ウスパヤタ[峠]
La Cumbre de Uspallata

チリのサンチアゴ北北東約90km(南緯32°50′,西経70°40′)にある国境の峠。アンデス山脈を越え,アルゼンチンとチリを結ぶ交通路のうち最も重要な峠である。峠の標高は3855m。1887年着工,1910年完成のトランス・アンデス鉄道のトンネル(長さ3137m,最高点3185m)がある。電車が来ないときは,トンネルの軌道の上を車で通れる。峠には両国の国境における平和を願ってキリスト像が立てられている。アルゼンチン側の最後の集落メンドサから160kmにあるプエンテ・デル・インカPuente del Incaで,アコンカグア山などアルゼンチン側のアンデスへの登山基地でもある。国境近くのラスクエバスには税関などがある。チリ側ではポルティヨPortilloという南半球有数のスキー場があり,多数のホテルがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウスパヤタ峠」の意味・わかりやすい解説

ウスパヤタ峠
うすぱやたとうげ
Paso Uspallata

南アメリカ、チリ中部とアルゼンチンのメンドサ地方を結ぶアンデス山脈越えの峠。チリではベルメホ峠、アルゼンチンではラ・クンブレ峠という別名がある。植民地時代から現在に至るまで両国を結ぶもっとも重要な峠で、アンデス横断鉄道が通過している。峠の標高は3863メートルであるが、鉄道は峠の下を延長3137メートルのトンネルで抜けている。道路トンネルも完成し、峠越えは容易になった。峠への途中にはいくつかのリゾート集落がある。とくにチリ側のポルティーヨはチリのウィンタースポーツの中心地である。

[松本栄次]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android