ウルル-カタ-ジュタ国立公園(読み)ウルルカタジュタこくりつこうえん

世界遺産詳解 の解説

ウルルカタジュタこくりつこうえん【ウルル-カタ-ジュタ国立公園】

1987年自然遺産に、1994年文化遺産に登録された世界遺産(複合遺産)で、オーストラリア大陸中央部のノーザン・テリトリーにある。世界で2番目に大きい一枚岩で、「地球のヘソ」といわれるエアーズ・ロック(ウルル山)と、その西方約30kmの、36の巨岩群で構成されるオルガ山(カタ・ジュタ)を含む周辺一帯の国立公園。ウルル山は、かつて海底にあった花崗岩質の砂岩の堆積層が、6億年前の造山運動とその後の地殻変動によって地表に現れたもので、周囲約9km、高さ348m。先住民族アボリジニの崇拝する聖なる山であり、「ウルル」とはアボリジニの言葉で「日陰場所」を意味する。周辺には古代アボリジニが描いた岩面画も残されている。一方、カタ・ジュタは、アボリジニの言葉で「たくさんの頭」の意味で、ウルル山と同様に海底の堆積層が地表に現れたものである。この地域は、夏場は気温が45度にもなる砂漠気候に近い地域だが、この環境に適応したアカカンガルーフクロモグラなど、40種の哺乳類、70種の爬虫類、480種の植物が生息している。このような、地球の歴史を物語る貴重な自然の地形と、人類の芸術的・文化的な足跡をとどめる貴重な場所であることが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はUlṟu-Kata Tjuṟa National Park

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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