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エインズワース エインズワースAinsworth, William Harrison

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

エインズワース
Ainsworth, William Harrison

[生]1805.2.4. マンチェスター
[没]1882.1.3. サリー,ライゲート
イギリスの作家。追いはぎディック・ターピンのロンドン,ヨーク間の快走を描いた『ルークウッド』 Rookwood (1834) で名をなし,脱獄の名人ジャック・シェパードを主人公とする同名の小説 (39) など,一連の盗賊小説を著わしたほか,『ロンドン塔』 The Tower of London (40) ,『ウィンザー城』 Windsor Castle (43) などの歴史小説も書いた。筋の統一や性格描写に難はあるが,活劇的感動を伝える点や史実考証の精密さにすぐれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

エインズワース
えいんずわーす
William Harrison Ainsworth
(1805―1882)

イギリスの小説家。2月4日、マンチェスターの事務弁護士の子として生まれる。ロンドンに出て法律の勉強をするうち、編集出版に手を出し、やがてゴシック・ロマン風の小説『ルークウッド』(1834)を発表し一躍人気作家となる。1839年、18世紀実在の犯罪者、脱獄の名人を主人公にした『ジャック・シェパード』を『ベントレーズ・ミセラニー』誌に掲載して成功し、翌年同誌の編集者となる。前作『ルークウッド』に登場させたディック・ターピンも実在の追いはぎで、これらニューゲイト監獄の名士たちをヒーローとして賛美する傾向の小説が、当時の読者大衆に新しい刺激に富む読み物として歓迎された。『クライトン』(1837)、『ロンドン塔』(1840)、『ガイ・フォークス』(1841)、『セント・ポール古寺院』(1841)など、過去のできごとを鮮やかに再現してみせる歴史ロマンをはじめ、39冊にも上る小説を書いたが、1850年ごろを境に筆力は衰え、社会的な名声も下り坂に向かった。彼の家は、心地よい社交場として、ディケンズ、サッカレーら多数の来客を集め、彼らにエインズワースが与えた文学上の影響は少なくない。また『ロンドン塔』の末尾で獄卒が歌いつつレディー・ジェーン・グレイ処刑用の斧(おの)を研ぐ場面が、夏目漱石(そうせき)の気に入り、『倫敦(ロンドン)塔』に取り入れられたことはよく知られている。1882年1月3日死去。[佐野 晃]
『北條文緒著『ニューゲイト・ノヴェル――ある犯罪小説群』(1981・研究社)』

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