ウィンザー城(読み)ウィンザーじょう(英語表記)Windsor Castle

翻訳|Windsor Castle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィンザー城」の意味・わかりやすい解説

ウィンザー城
ウィンザーじょう
Windsor Castle

イギリスの首都ロンドンの西,テムズ川南岸に築かれた城郭イギリス王室の主要住居。ウィリアム1世が 1070年代に建設,ヘンリー2世木造から石造に改築,その後増改築を経てイギリスを代表する宮殿となった。中心となるラウンド・タワーは,ノルマン時代の小丘の上に立ち,中央に中庭を残す形式(シェル・キープ)で,1170年後半ヘンリー2世により建てられた(上部 2層は 19世紀)。またセントジョージ礼拝堂は,1528年に完成した美しいファン・ボールト fan vaultをもつパーペンディキュラー様式ゴシック建築である。1992年11月,北東部のチェスター・タワーにある礼拝堂から出火した火災により大きな被害を受けた。王家の肖像画や,歴代国王が収集した数多くの美術品を収蔵する王立美術コレクションがあり,その一部が一般に公開されている(→ウィンザー城王立美術コレクション)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィンザー城」の意味・わかりやすい解説

ウィンザー城
うぃんざーじょう
Windsor Castle

ロンドン西郊のウィンザーにあるイギリス王室の離宮。市の北東端、テムズ川を見下ろす小高い丘に位置する。ロンドンから近く、狩猟にも適し、自然の要塞(ようさい)を形づくっているため、11世紀にウィリアム1世が居城を建設して以来、歴代の王による増改築を経て現在のような形に整えられた。城内の中央に石造の大円塔がそびえ、その周囲に王室の公的・私的建物や、聖ジョージ礼拝堂、アルバート記念礼拝堂などが並んでいる。エドワード4世の時代に起工された聖ジョージ礼拝堂はゴシック風垂直式の建築で、王室墓廟(ぼびょう)としてウェストミンスター寺院に次いで重要。付属王立図書館はレオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロなどの素描コレクションで名高い。

[篠塚二三男]

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